蛇にピアス/金原ひとみ


蛇にピアス

蛇にピアス


芥川賞をとり、一時期とても話題になった本。

私としてはその時の直木賞京極夏彦江國香織だったので、そっちをピックアップせい!とTVの前で随分歯痒い思いをしたのだけれど、喉元過ぎれば熱さを忘れる。

うっかり手に入れちゃったんだ。

ただし、私が持っているのは全文掲載された雑誌です。

でも…それがすっごい薄いんですけど。本当にこれ、単行本一冊分あるのか。加筆修正とか、してないんでしょうか…?


前半読んで審査員の方々が眉をひそめた気持ちがわかりました。うん、一言でいうとエロいんだ。三十代の人が書けば問題なかったとは思います。

スプリットタン(裂いた舌)に出会った少女、ルイが辿る色々なお話。

その舌に出会った時から話が始まってしまうので、出会う前の彼女が書かれていれば、もうちょっと楽しかったかもしれないなぁ。舌と出会って変化してるんだろうけど、どう変化したのかがわからないんだ。

で、この少女、誰も治療しようとはしていないけれど、基本的にアル中の気があります。

だからってどうってことないんだけど、激痩せしたりするんですが、うーん…どうも、一人称のせいか、そこまで大変なことだと思えなかったなぁ。

あ、でも、この話の頭を撫ぜる描写がなんか好きです。

…うん、それ以外に収穫なさそうです。

刺青っていれるの結構時間かかるんだなってことは勉強になりました。

ラストはまぁまぁ。一瞬「え?終わり?」って思ったけど、これを書いてるうちに「続けてもなぁ…」と思いましたし。

ちなみに、賞をとったからというのは、私の判断基準に影響しないです。