クドリャフカの順番/米澤穂信


クドリャフカの順番―「十文字」事件

クドリャフカの順番―「十文字」事件

古典部シリーズ第三弾。なぜ第二弾を飛ばしたかというと、水晶のストラップがついた、紙とコインが入った袋のせいです。

古典部とは名ばかりで、古典とまったく関係ない学園推理もの、今回は文化祭です。


楽しいなぁ!今までのこの人の本の中で一番楽しい!

文化祭ならではの騒ぎっぷりが何より楽しいです。主人公も省エネ主義を貫きつつ、面白いことを意思と関係なくはじめるし。

お祭男(と、勝手に呼ばせてもらう)福部がイベントに乗り込んではひたすらに楽しそうにしている様子が楽しい。

ヒロインのお嬢様も、必死に頑張ろうとしている姿が愛しいです。

漫研とのかけもちをしなければならない、摩耶花の怒りと頑張り具合が素敵です。

前作の「氷菓」とは違い、今度はひとりひとりの一人称で、ころころ入れ替わる方式です。

だから、こんなにも楽しいんだと思います。

バラバラに行動しているので、場面が被るってことはほとんどありません。

謎もあるけれど、それが本格的に動き出し、解決へ向かうのは後半。

それまでお祭騒ぎを楽しむのが一番です。

個人的に、この謎、結構好きです。突き止めればこれも「青春ホロ苦」になるんだろうけど、いじらしさですまないいじらしさが好き。

ただ、第二弾を読んでいないとどういう人かわかららない登場人物もいました。「女帝事件」でお世話になった人、と説明されるので別に問題はないのですが、それでも読んでいたらもっと面白かったかもしれない。



ハロウィンの格好をした二人組が妙に気に入りました。