荊の城/サラ ウォーターズ


荊[いばら]の城 上 (創元推理文庫)

荊[いばら]の城 上 (創元推理文庫)

荊[いばら]の城 下 (創元推理文庫)

荊[いばら]の城 下 (創元推理文庫)


まず、この人の本を読むのは二回目です。と、いうか、刊行されている本がこれと「半身」しかないんですが。
「半身」はあちこちで絶賛されていましたが私が読んだ書評に「何も知らずに読んで欲しい」と書いてあったので、何かどんでん返しがあるんだろうなぁ、と思い読んで「うぅぅぅ」と唸った思い出があります。
でも、今回は違います。
今回は、ちゃんとこの人の話は雰囲気を楽しむもので、過剰な期待はしてはいけない。
途中まで退屈だけど、きっと楽しくなってくる。と自分に言い聞かせて、「荊の城」を読み始めました。
思ったとおり、最初は退屈です。細かい描写が多く、何かと思わせぶりなのですが、この人の本は雰囲気を楽しむものですので、すんなり通り越した方が無難です。


それでも、「半身」と違って、ストーリーが流れ始めれば、ぐいぐいと引き込まれるものがあります。
何か言ってしまうとネタバレになってしまいそうです。今までと意見が違う、と思われるかもしれませんが、これはそういう本です。(ぉぃ
どうか、上を読んだだけで諦めないでください。そして、半身を読んで「退屈だ〜」と叫んだ方、こっちはマシですよ、サービス満点です。
主人公たちの性格を変えればこれ、ドタバタコメディになるんじゃないかな、と思ったり、○○大作戦v(着色あり)な行動をしたり、しみじみと、あぁ、楽しかったなぁ、と思います。何でも舞台が十九世紀の倫敦で、その独特な雰囲気が出てるとか…。
二度目になりますが、半身よりサービス満点で楽しいです。まぁ、半身に期待しすぎて裏切られたので、その反動もあるのでしょうけど。

さて、この本を読んで、どうしても思ったことがあります。かなりのネタバレ注意。




牡丹と薔薇のようだった。(反転)