イン・ザ・プール/奥田英朗


イン・ザ・プール

イン・ザ・プール

図書館でやっと出会えたので、嬉々として読み始めました。何とか、テレビドラマまでは間に合いましたよ。と、いっても、CMを見た限り、この「イン・ザ・プール」のストーリーは一本しか入ってないようでした。(まぁ、題名が続編の「空中ブランコ」ですしね)


そんなわけで、トンデモ精神科医の評価は…はて、天才か、馬鹿か、どっちだろう。
てっきり、とんでもない治療法で病気を克服させる名医かと思っていたのですが、…馬鹿に見えることが何度も、ちょっと「ん?実は、わざとやってる?」と思うことが一度ほど。
気に入ったかと答えれば声を濁しますが、とんでもないか、って言われれば、とんでもないです。うん、読んでて楽しい。
むしろ、私は短い言葉でビシバシかっこいいことを言う、助手の姐さんが好きです。
後、驚いたのは、患者さんの心理の細かさ。ふと後ろを振り返ると異常なことなのだけど(いや、異常だということは分かることは分かるけど…)疑問を挟む余地がない、一人称で、どこまでも行ってしまう。
そして、トンデモ精神科医はそれを煽り、さらに加速をつける。
スピード感があるっていうのかな、多分。とても、読みやすくもあります。
携帯依存の少年の話が好き。