人間動物園/連城三紀彦


人間動物園

人間動物園


この人の本を読むのははじめてです。タイトルに惹かれたもので。



う…うぅ、うん。基本的にどんでん返しのお話なので、少々わき道にそれた感想を。
辛い。
文字を読み進めるのが、これほど辛いものなんだ、って久しぶりに思いました。
何だろう、私がこの頃重たい話を読んでなかった、ってこともあるんでしょうが、なぜかとても読みづらいのです。
誰が思っているかわからない、など、この文法に慣れてないせいで、すぐに理解できなかったところもあります。
後、人がいきなりわらわら出てくるけれど、キャラが特別濃ゆい人々ではないので、覚えきれないところも。
それに、ちょっとビックリするぐらいに詩的な比喩が頻発しています。あんまり、この話の雰囲気にあっているとは思えない…。誘拐事件=リアルなこと、の図式があるせいかも。
でも、詩的な表現を使っている割には、あんまり人間心理が心に迫ってこない。
それと、奥付を見たらどうやらこれ、連載小説だったようです。
だからか、じれったく話が進まない。進んでるだけど、後ろにトカゲの尻尾を切り落としてきたような違和感を覚えました。
それも最後でちゃんと回収されるけれど、あまりに間が長すぎた。
一々主人公(視点は代わりますが、一番出番が多い人)が比喩的表現と、些細なことに考え込む話の流れ方が、どうしても馴染めなかっただなぁ。
あ、それでも本編は流れ出すと結構面白いです。流れ出すまで、すっごく苦痛でしたが、この文体があっている人はなんとも思わないと思います。
話の筋は面白いです。
ちょっと間延びしたりするけれど、それに耐えられる人なら、結局満足いくミステリーなんじゃないかな。
うん。
最後の「人間動物園」の真の意味とやらが明らかにされるけど、私的には話がはなれすぎてて「ふーん」なもんでした。