てるてるあした/加納朋子


てるてるあした

てるてるあした


ずっと図書館で借りられていて、読むのはずっと先になるだろうなぁ、と思っていたのだけれど、結構早く読むことができました。
「ささらさや」の続編です。主人公は違うけどね。
実を言うとこれがあったので、「スペース」も借りてきたんです。
でも…この作者さん、この頃続編しか出してないようなんですが…大丈夫、かなぁ。


それはさておき、話は少女が「夜逃げ」してきたところから始まります。
両親は遠くに去り、遠い親戚に預けられることなった。たどり着いた町は「ささら」
主人公が違うってことを知っていたので、「ささらさや」の人々が登場すること、そんなに期待していなかったんですが、嬉しいことにしっかり再会することが出来ました。
それというのも、主人公(雨宮照代)が世話になる親戚があのかしましい三人おばあさんコンビの一人、久代さんだから。
厳しい久代さんや色々なことを主人公は悪態をつきつつ、生活をしていきます。
その中にはサヤさんもいるし、エリカさんもいる、ダイヤ君も勿論いて、あのセリフを言った。ダイヤ君との再会が一番嬉しい。ユウスケ君の行く末が楽しみなような、怖いそうな…。
でも、主人公は「嫌い嫌い」思ってます。
たぶん、「ささら」の中では性格悪いんだろうけど、大丈夫、もっと性格が歪んでる人々、他の小説にいっぱいいるから。
なので、彼女の悪態をつくさまは、むしろ可愛らしくうつりましたよ。
それと、この少女、よく泣くなぁ、と思っていたけれど、エピローグでそのわけがやっとわかりました。なるほど、作者はそういうことをしたかったんだって。
失礼ながら、一言で言うなら「少女の成長物語」。
前作もそうだったけれど、全編にいつも優しい雰囲気が流れていて、好きなんです。同時に、切なさもあって好きなんです。もう、雰囲気なんですね、好きな理由が。
しかし、この「ささら」の町は幽霊が当然になってきましたね。
うーん、でも、もしかしてこれで終了…なのか…なぁ。主人公みたいに外からやって来るってこと、二度もできないだろうし…。
新キャラのエラ子も好きだし、主人公のその後も知りたいし、ユウスケ君の喋るところも見たい。
…読み返そう、うん、そうしよう。もうちょっとぐらい、読みたいよぉ。




謎の風味はほんの少しで、ほとんど提示もされなければ、解こうという意欲もないけれど、一応謎はあるので、カテゴリーはミステリーです。