海辺のカフカ/村上春樹

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)


村上春樹〜。この人の本はかなり昔に「ねじまき鳥クロニクル」読んだだけなんです。
ひょんなことからタダで手に入ったので、何となく読み始めてみました。
熱心な村上春樹さんのファンの皆様、お願いですから石は投げないで下さい。




こういうのを純文学というんでしょうか。私は基本的に本にものすっごい感銘を受けたことがないので、素直に書いてあることをそのまま受けとめます。特に、村上春樹さんの場合、話の展開はするりするり、と私が思い込んでいる常識とすり抜けていってしまうので、何かを考えることが出来ないのかもしれません。
それと、この人の文体は独特なのだけど癖がなくて、あっさりその世界に入っていけます。人それぞれなのでしょうが、とりあえず私はそうでした。
ねじまき鳥クロニクル」もそうだったけど、読んだ後で本の厚さに驚きます。なんだろうなぁ、ページに余白が多いわけでもない、でも、ひらがな表示は多いかもしれない。
まぁ、結構私が好きな文体ということです。
さて、前置きが長くなったけど、今回の話は、無口な15歳の少年側と初老の老人ナカタさん側が交互に進んでいく方式。少年の方よりも、私はナカタさん側が大好きです。ナカタさんが出てくると、意気込みが違いましたもの。少年側はナカタさん側よりも難しいんだよ、何だかわかんないけど。
この話を読みすすめる原動力は、私はとりあえず、先の展開が気になる、でした。
だって、どうなるかさっぱり見当がつかない。でも、ひたすら気になる。
いっそのこと、カテゴリーMysteryにしようかと思ったくらいです、村上春樹≒純文学、な図式がわたしの頭の中で成立していたので、やめましたけど。
そうそう、この話、猫がたくさん出てきます。
猫好きな私としては嬉しい限り。「ねじまき鳥〜」のサワラの方が結果的には好きなのですが、様々な猫は読んでて楽しかったです。
まぁ…、動物愛護団体の方々が哀しみそうな描写はありますけど、それはそれで。
終わり方は、ナカタさん側の終わり方がひどく好きです。少年も好きですけど、うーん、ナカタさん側の方が暗いっちゃ暗いんだろうけど、その暗さがすきなのかもしれません。
ナカタさんとトラックの運ちゃんコンビが大好きなので、ぱらぱらと読み返すことになるか、な。
結果的にやっぱり感銘も何も受けなかったのだけど、こういう話、私は好きです。
何となく人に薦めてはいけないような気がする本です。その人が選んで、本棚に存在していてくれると嬉しい、な。





どうでもいいだけど、この人の本読んでいる間、頭の中で組み立てる文章が、村上春樹風味になって困ります。ただ単に私の頭が単純なのか、それとも影響力が恐ろしく強いのでしょうか…。