家守/歌野晶午


家守 (カッパ・ノベルス)

家守 (カッパ・ノベルス)


ヤモリというと、あの可愛らしい動物を思い出すのだけど、今回はまったく関係ありません。えぇ、全然、まったく、これっぽちも。
それでもこれを買ってしまったのは、飼えないヤモリの憂さ晴らしなのかもしれません。
しかし、この頃画像が表示されないことが多いような…。そんなにマニアックな選出してるはずじゃないんだけどなぁ。



さて、この本は五編の短編で成り立っています。「家」をテーマにしたと言っていますが、とことんな統一感はありませんね。手順としては、「家」というものに、関わっていたものを集めてみましたって感じ。
実際、私が一番気に入った「人形の家で」は別の雑誌で発表された作品でした。
これだけ妙に浮いてるんですよ。一番最初の話なんですが、そのせいか、全体的にちぐはぐした印象の短編集でした。
連作でもない限り統一感は気にしないタイプだと思っていたのだけれど、これはテーマが「家」と宣伝されていたせいでしょうか。んー、読み応えも読後感も微妙でしたね。
話ひとつひとつを拾い出すと、それなりに楽しかったし、警察が出てくる話は私の感覚として馴染めなかったけれど、話の筋としては面白かった…。けど、微妙。
そのもうひとつの理由として、根本にあるものが私の趣味に合わなかったんだと思います。
警察とか、殺人とか、特殊じゃない設定とか、後味が悪いけれど、後腐れない終わり方とか。
話の筋としては面白かったので、↑であげたものが好みの方には良いんじゃないかな、と思います。



特殊な設定な「埴生の宿」の前半は気に入りました。最後はもうちょっとひねって欲しかったなぁ…。