イリヤの空 UFOの夏-1-/秋山瑞人


イリヤの空、UFOの夏 その1 (電撃文庫)

イリヤの空、UFOの夏 その1 (電撃文庫)


やけに評判を聞いていた作品なのですが、「良い」ということだけ聞いていて、そういやあらすじは何にも知りませんでした。評判の言葉を借りるならば「ボーイ・ミーツ・ガール」もの。




まず、これは四巻で完結するものなので、一巻を読んだだけでは決め付けて何か言うことはできないです。主人公は新聞部(電波系)に所属する少年。夏休みの最後の日に忍び込んだプールで、不思議な少女に出会います。イリヤ、と名乗った少女に泳ぎを教えていると、変な人たちがやってきて…その間の記憶を失ったりします。で、次の日学校に行ってみれば、その少女が転校生として登場。いや、ベッタベタだなぁ。

筋だけを辿っていけば、ベタベタなのですが、SFちっくな匂いもします。イリヤの腕にはめ込まれた銀色の何か、とか、そもそもイリヤのそばにいる怪しい人物たちは誰なのか、とか。そもそも、このイリヤ、って女の子、無表情で浮きまくりなのですが…、本当に人間なのかなぁ、と色々と憶測はできます。

後、ぶっ飛んだ新聞部の部長は…少々うるさいです。いつもなら嫌いなタイプではないのですが、叫んだ時に文字の大きさを変更するのは、ちょっとやり過ぎな気がします。

世界観としては、どうやらベースに戦争や軍隊があるようなので、これが新鮮味があっていい感じ。ライトノベルって軍隊ものの専門用語が好きなのでしょうか、それとも、この頃そんな話ばっかり選んでいるのでしょうか…。

まぁ、それはおいといて、なんとなく、この調子だと無表情なイリヤの微かな表情の変化に主人公が一喜一憂しつつ、周りでは世界をひっくり返すほどの様々なことが動き出していく、って感じでしょうか。すみません、完全にあてずっぽうです。でも、あの二人、ものすっごい不器用にコミュニケーションとって行くような気がします。主人公、まともそうに見えて、やっていることはストーカーに近くなっていたしなぁ…。

やっぱり一冊だけじゃ何ともいえない。けど…まぁ、楽しくなりそうな予感はしないこともないし、もっとキャラたちの魅力が出てくることを期待して、そのうち二巻目読みます。