黒ねこサンゴロウシリーズ/竹下文子


旅のはじまり (黒ねこサンゴロウ 1)

旅のはじまり (黒ねこサンゴロウ 1)


ちょっと体力がないので、まとめてしまいます。遥か昔に読んだ記憶だけはあったのですが、まったくもってアテになりませんでした。

声を大にして叫びたいことはひとつだけ。サンゴロウ、かっこいいっ!!




シリーズ一冊目は「旅のはじまり」

こんな話だったけなぁ、とずっと首を傾げていました。サンゴロウと父親に会いに行く少年の冒険の物語。何だか心が洗われます。サンゴロウがかなりミステリアス。箱を開ける時のやりとりがお気に入りです。そう、そうなんですよっ。そこで躊躇う少年が「少年」らしくなくてえらいっ。電車を途中下車して冒険したい。現代の工場とかを混ぜつつ話を進めるが良でした。一瞬、イがつく某有名冒険映画を思い出しましたが…。


キララの海へ (黒ねこサンゴロウ 2)

キララの海へ (黒ねこサンゴロウ 2)

二冊目は「キララの海へ」。この本から完全なるサンゴロウ視点になるのですね。前作から思いっきり時が流れていてちょっとビックリしました。すっかり村に馴染んでいるサンゴロウに、仲の良い?医者からとある貝殻を取ってきてほしい、との依頼がなされます。貝殻がないと村に病が流行ってしまう。サンゴロウは渋々ながら船を出し…。

何このかっこいい話。出だしがRPGっぽいなぁ、なんて思った事を後から猛反省しました。ごめんなさい。すごい、かっこよすぎるよ、サンゴロウ。でも、完全なる強さに惹かれてるわけじゃないんです。サンゴロウは確かにかっこいいけど、それは生き様がそうだからで、行動というか行き着く先は……です。予想を飛び出したあたりからの展開は本当に予想不可能で、あぁ、もう、何か色々凄い。こんなにドキドキしたの久しぶりで、最後のシーンが素敵過ぎるんですけどっ!思い出しただけでもバタバタ出来ます。


やまねこの島 (黒ねこサンゴロウ 3)

やまねこの島 (黒ねこサンゴロウ 3)

三冊目は「やまねこの島」。あんまりカッコイイを連発しすぎると、私が窒息しような勢いなので、少しだけ自重しますが、それでもカッコイイ。話は天敵「やまねこ」達の島が流行り病に犯されて、前作に登場した医者を連れてその島へ行くのですが…。

もうね、途中まで予測どおりの運び方をするんですよ。でも、そのままじゃ終わってくれない。予測どおりの運び方の時も一々魅力的です。そしてサンゴロウが一々カッコイイ。医者もへたれっぽいけどその使命感がかっこいい。そりゃぁ、かっこいいキャラクターが出てくる小説なんて山ほどあるでしょうが、この二人は自然体にかっこいいんです。別に飛びぬけた能力とか持っているわけじゃない。でも、だからこそその中で奮闘するのが素晴らしい。ちょっとサンゴロウと医者の仲の良さはにやりとなる丁度良い感じです。さ、とっとと続きを借りてこよう。




まったく関係ないのですが、この話「黒ねこサンゴロウ旅の続き」なんてものまであるのですかっ。そんなことすらも知りませんでしたよ。あぁ、凄い。近いと思っていた道のりが、一気に遠のいた。嬉しいけれど。