銀のいす/C.S.ルイス


銀のいす―ナルニア国ものがたり〈4〉 (岩波少年文庫)

銀のいす―ナルニア国ものがたり〈4〉 (岩波少年文庫)


ナルニアシリーズ四作目。新書で読むのが好きです。大判は肩が凝りそうで。



さて、今回ナルニアに行ったのは前作で予告された通り、一作目の兄弟の従兄弟にあたる「ユースチフ」と同じ学校に通う少女「ジル」。二人はアスランに頼まれて行方不明の王子を探し出すことに。ちなみにカスピアンの息子です。王子を見つけ出すためには「しるべ」を見つけださなければいけないのだけど……。
梟の協力などもありつつ、二人は「沼人」と合流し旅を始めます。目的地は北にある巨人の国。今回は仲が悪い二人がコンビ。ぶっちゃけそこまで意思も強くない。これには、二人が神学校に通っていないってところが設定上大きいみたいです。……この話全体的に「キリスト教」の匂いが強い。ナルニア読む前から覚悟していたことではあったのですが、この教えを知らない子どもだからちょっとおばかなの、的空気が居心地が悪い。いえ、たぶんその「新しい学校」が今の学校です。ちなみに校長そこまで悪い人じゃない。等々の文句とも云えぬものが溢れそうになります。うん、無視しよう。だって、最初っから分かってたことだもの。
基本的にアスランがいれば万事うまく進むのがナルニアの世界なのですが、今回ばかりはちょっと特殊なのかも。この二人、仲の悪さが相まってからバシバシ失敗していきます。ある程度の失敗は毎回のことなのですが、終盤まで失敗されまくるとちょっと心配になりました。
で、個人的には王子の性格が好き。いいじゃん。いいかげんな人。ちょっとバカだけど。本当にバカだけど。
悪役は闇の世界の女王、な感じです。素敵なのだけどなぁ、暗い世界に引きずり込んでしまう感じ。この人がみんなを懐柔しようとする場面が素敵です。「太陽? それはランプからあなたが思いついた想像よ」と何度も何度も訴える。そう信じてしまいそうになる不思議。そこまで悪い人だと思えないのは、私は影の人が好きだからだろうな。
地底の国、ってのは素敵です。ただし、やっぱり一番神様の匂いが強い。ちょっいっと苦手意識が顔出しました。