ねむりねずみ/近藤史恵


ねむりねずみ (創元推理文庫)

ねむりねずみ (創元推理文庫)


前に読んだガーデンで探偵助手の山本君に惚れてから、結構経ってから次の話を。

何だか、シリーズものを最近のものから古いものへと読んでますね。



背筋がぞくり、とした。

異なるものには恐怖心はほぼ感じない私ですが、人間心理には弱いのです。

梨園が舞台なのですが、うーん…ハッキリ言ってしまえば、よくわからない。

難しい専門用語は出来るだけ省いてあるように感じますが、それでもいきなり歌舞伎のセリフが出てきても、「??」としか思えない。

これは、私が古典をあまり勉強してないせいもあると思います。

視点がふたつに分かれてていて、ふとした時に切り替わるのですが、中休みしたせいですっかりその伏線を忘れていたりしましたよ。

個人的に、山本君の出番が後半少しだけあっただけでも嬉しい限り。

そして、ガーデンの時より探偵今泉のへたれ度があがっている。それでも、山本君への溺愛ぶりが変わってなくて嬉しいです。

語り手の小菊さんも、性別不明で面白い。ちゃんと説明をされてはいるんですが、女形なのでどっちか忘れることがあるのです。

謎の部分は殺人ひとつだけなので、のんびりゆったり進みます。(ガーデンは大変でしたからね…)

天才、というものの怖さがしっかりと語られています。

まったく歌舞伎を知らなくても(退屈で欠伸は出たが)内容は理解できて楽しめるとは思います。ところで…これからずっと語り手が小菊さんだと、山本君の出番はどんどん削られるんでしょうか…?それだけは、やめてもらいたいなぁ。