メモリアノイズの流転現象/上遠野浩平


メモリアノイズの流転現象 (ノン・ノベル)

メモリアノイズの流転現象 (ノン・ノベル)


ブギーポップシリーズの作者の、別シリーズ。前作の記事はこちら




さてさて、前作は怪盗ペーパーカットと、それを追う探偵たちと色々の物語でした。

てっきりそのまま、怪盗VS探偵の図式が主になっていくかと思っていたのですが、今作は新キャラ「私立探偵・早見壬敦」の独壇場。

本人的には、飄々としていて性格的には気のいい兄ちゃんキャラなのですが…、統治機関に狙われそうな能力を持ちです。。(関係ないけど、歪曲王の人はあちこちに姿を見せすぎだと思います)

どれくらい独壇場かというと、ほかに探偵いるのに、解決したのはこの人です。怪盗と仲良くなっちゃうし、出番も多いし。

んー、話としてはお家もののミステリーとしてはドロドロ感が足りないです。けど、別にミステリーやドロドロ感を出したい話じゃないんだろうなぁ。まぁ、でも、終わり方としては満足です。消化不良ないですし。

でも、この話の主は、アクションでもないし、早見壬敦は能力持ちでロボット探偵もいるけれど、それも結局、一つのキャラクターにおいての話です。

んー、カテゴリー分けが難しいです。そして、これからどこに転がっていくのか、これを読んでさっぱりわからなくなりました。

探偵VS怪盗の図式は、新たな探偵が出てきたことで崩れてしまいそうですし。ただ、キャラだけはもうしっかりと立っているので、続きが俄然楽しみになってきました。

読後感もすっきりしているし、私にとってこのシリーズは清涼剤です。

前作の事件と繋がりがあったりするので、前作読んでいた方がきっと楽しいですよ。



しかし、一番出番が少ない怪盗は…一体いつまで表紙を飾るのでしょう。次作は別の人でもいいんじゃないかなぁ…。