機械仕掛けの蛇奇使い/上遠野浩平


機械仕掛けの蛇奇使い (電撃文庫 (0916))

機械仕掛けの蛇奇使い (電撃文庫 (0916))


同じく熱がある時に読んだ本。熱があると他のことを気にしないで本を読めるのでうれしいです。




さてさて、この話は完全なる別世界のお話…だと思われます。上遠野浩平さんの本はどこか繋がっている可能性もあるのですが、気づかなかったので、完全なる別世界。

話は、皇帝である主人公が、大昔の「闘争と破壊の化身 ルルド・バイバー」と目覚めさせるところから始まります。

同時に暗殺されそうになったりして、ルルドさんに助けてもらったりした挙句、なぜか一緒に行動したりしてます。ハッキリ言ってしまえば、皇帝の地位から追い出されて、どうにかして取り返そうか、みたいのが話の筋です。

このルルドさんの性格がぶっ飛んでて楽しかったりはしたのですが、んー、どうもこの人の文体はこういう筋だけ見ると壮絶な話に向いていないように思えました。緊迫感が感じられない。その微妙にずれてるところが日常と混じると良い感じなのですが、今回は話の筋が壮大すぎたのだと思います。なんか…、似合っていない。

サブストーリーで老人と子供のほのぼのっぷりもあって、良い感じでした。後、主人公の婚約者がぶっ飛びすぎてて、ちょっと哀れ。もう少しフォローがあってもいいのではないですか…。

んー、世界観としてはそれなりに面白かったのですが、詳しい説明がなされていないので、思いっきりはまる、ってことは無かったです。

全体的に微妙だったなぁ…。ルルドさんのぶっ飛び具合がすばらしくはありましたが、続編は望めないし、主人公の性格もあまり好みではなかったし、んー、やっぱりこの人の話は、濃い世界観か、日常の中の非日常がいいなぁ、と思いました。