私の優しくない先輩/日日日


私の優しくない先輩

私の優しくない先輩


狂乱家族日記」「虫と眼球とテディベア」などで名前を知っていた作家さんのデビュー作。後で裏付けを見てビックリしましたよ。若い。私とそう変わらないよ。
で、なんとなく他のタイトルで歪んだ話を書きそうな人だなぁ、と思っていたのですが。




青春ぶっちぎりのお話でした。そりゃ、歪んだ話を書きそうな人だな、っていう先入観もあったせいもあるんですが、爽やかさといい、本当にぶっちぎりの青春恋愛小説。
主人公は病気に侵された女子高生。大大大好きな相手もいて、体育で一緒にいなければいけない嫌いな先輩がいて、ビクビクしている他人以上友人未満のクラスメイトもいます。
そして、その三人と一緒にお祭に出ようと企画して、準備をします。
まぁ、お祭が主ではなく、そこまでに至るまでのお話ですね。
何というか、きれいな起承転結でした。
トリックとか、私の好きな要素とは、ほとんど無いんだけれど、きれいに流れて、きれいにおさまる。そのきれいさが、私は好きです。
それと、確かにこの話の中に私の好きになるような要素は無かったけれど、何だか、この人の書く話なら面白そう、って感触がしました。
ちょっとした言葉の言い回しとか、表現の仕方とか、何だかいい出会いの予感がします。
なので、近いうちに文庫本でも買ってきます。まぁ、問題があるとすると、この人の文庫…続きものが多いことでしょうか…。…名前はしっかり覚えておきます。