Missing9・10・11-座敷童の物語-/甲田学人


Missing〈9〉座敷童子の物語 (電撃文庫)

Missing〈9〉座敷童子の物語 (電撃文庫)

Missing〈10〉続・座敷童の物語 (電撃文庫)

Missing〈10〉続・座敷童の物語 (電撃文庫)



随分久しぶりにこのシリーズを読みました。で、感想をはじめる前にひとつ。
この「座敷童の物語」は後一巻あるんです。なので、その前の途中経過の感想になります。




毎度思うのですが、このシリーズの売り文句は「現代ファンタジー」ではなく「現代ホラー」じゃないでしょうか。ファンタジーらしい魔法と剣はどこにもない。あるのは怪異です。
うーん、前作を読んでから随分日が経っているので、どうも状況把握がうまくいかなかったのですが、相変わらず「魔女」の存在感は絶大でした。
魔女のこと、むしろ好きだったんですが、この物語は変容していくなぁ。
最初は普通の学校だったのに、いつの間にやらオカルト趣味に走り始めてるし、登場人物たちの心境と状況は静かに変化していくし。
うん、すごい。私はこのMissingを読むと、止まらなくなります。文体的には可もなく不可もなく、な感じなのですが、引きずり込まれていくのです。
この二冊だけでは血が飛び散ったり人が死んだりすることはないのが残念だけれども(だって、そういう描写が一番迫力があるんですもん)今までの話も繋がりがあるようですし、先が楽しみです。
このシリーズ、実はもうとっくに完結しているんですよね。この「座敷童の物語」が終わったら、残るは「神降ろしの物語」二巻だけ。いつか、本腰入れて一気に読んじゃおうかなぁ。
話がどこに落ち着くのかわからない、というか、落ち着くのかどうかもわからない挙句、伏線が結構ありそうなシリーズなので、伏線忘れないうちに次の話読まないとなぁ。



ところで、亜紀…、あなたに学習能力はないんですか…。


さてさて、やっともう一巻読みましたよ。感想としてはえぇ…と、ですね。そろそろ終わりに向かってまとめていこうというのはわかるのですが…、今まで読んだ話を半ば忘れている私にはきつかったです。あなた誰ですか?ということが二度ほど…。名前を覚えないし、この本、人物についての説明が無いのですよ。短期間に読んだほうがいいのかもしれません。でも、「俊也」が強くなってくれて嬉しい限りです。忠犬も好きだったのですが、怪異に立ち向かう単純思考がこの話を少し明るくしてくれてるような気さえしましたもん。と、まぁ、座敷童の物語はこれで完結、としますが、全体的な雰囲気は「つづく」なので、やっぱり、最後の「神降ろしの物語」が楽しみですね。どういう決着をつけるのか、人物をもう一回おさらいしてから出向くことにします。(4月3日)