MORNING GIRL/鯨統一郎 〆


MORNING GIRL (ミステリー・リーグ)

MORNING GIRL (ミステリー・リーグ)


邪馬台国はどこですか?」なので有名な作者さん。読むのは初めてです。〆マークは、読んだ時期が二週間前以上になってしまった場合、反省の意味を込めてつけることにします。感想の精度が、30%増しで、当てにならないってことで…。

* 辛口になっております。この作品が好きな人、または、そういう感想が嫌いな人は、止めといたほうが無難です。


さて、この話は宇宙に住んでいる人々の睡眠時間がどんどん減っていき、対策と原因を探るグループが結成されるところから始まります。しかし、その睡眠時間の減少は地球でも起きていて…。で、この話の一番の特徴が、書き方が台本みたいであるところ。要するに


ダイアン「何とかで何とかが~」

ティーブ「何とかが何とか~」

ダイアンは即座に言った

ダイアン「それについては~」


みたいな感じが、ずーーっと、続きます。別にこれが謎の種になっているわけではなく、これが標準。私は人名部分をすっ飛ばして読んでいました。それで支障がなかったことが、この本の一番の特徴なのかもしれません。主要人物はその原因を探るグループの人々です。その中になぜか入った作家の「スティーブ」が主人公。そして、睡眠の研究者「ダイアン」が準主人公。他にも天才物理学者の少年とかが居るのですが、キャラが濃いわけでもないし、役割があわるわけでもないので、ほっときましょう。この少年においては、ちょっと気に入っていたので、残念でした。

ちなみに、宇宙ステーションの恋愛・妊娠は禁止されているのですが、この「スティーブ」が「ダイアン」がくっつきます。何というか…その露骨が描写過ぎて、萎えました。あ、別に激しいわけじゃないんです。ただ、「ダイアンを見た瞬間、スティーブは欲情を覚えた」がセリフの間に入っていても、ごめんなさい、何を思えというんですか。想像力の回転にも限度はあります。

さて、話はずーーっと、どうして睡眠時間が減ってるのかなぁ、という議論と、「スティーブ」と「ダイアン」の色々とかなので、大きな事件が起きるわけでなし、睡眠時間の減少により自殺や傷害事件も、主人公達にとって情報なので(いえ、ショックを受けたりとかはするんですが…長続きがしない)、あんまりピリピリしか感じがない。まぁ、現実感というか、こっちに迫ってくるようなリアルな感じがないのがこの本なので、当然ですね。

さて、話が進むにつれて「スティーブ」は変なじいさんとかに連れられて、なんか色々を学び始めます。宇宙の神秘とか、誰々の声だとか。で、私は失礼ながら、とある言葉で吹き出しました。その言葉は「スペース・ゼン」。ゼンは「禅」のことです。いや、本人たちが真剣な分だけ、笑える。笑っちゃいけないけど、笑える。それからもう、笑うしかない世界へと突入です。いえ、真剣になけば真剣になるのですが、なんだか、そこまでする義理を感じないんですもん。撃沈したのが、最後らへんに「。」で円を描いて、その中にセリフがあったこと。何なんですかっ、一体。小説内でAAらしきものを見る日がこようとは思いませんでした。まぁ、それで一応は、睡眠時間減少は解明されます。一言でいえば、科学や技術をすっ飛ばして解明されます。で、この減少した理由は……文句を言うのはやめときます。いえ、書いた人が「これなの」って言うならば、「…へぇ」としか言えないので。個人的にはあんまり好きじゃないかなぁ…。いえ、あの睡眠の安らかさの説明にはなるのですが、感情移入とか、真剣に聞こうって気がなかったもんで。んでもって、「スペース・ゼン」で聞いた出来事を素直に納得する「スティーブ」に違和感。お前、少しは人間としての意思とか大事にしようよ。(詳しくはネタバレツッコミで)あ、別に流れに穴が開いているわけじゃないので、そこは大丈夫です。

まぁ…何というか…、話の種にいかがでしょうか。

以下、ネタバレツッコミ。



隠すようなネタバレではないのですが、とりあえず、生まれて一ヶ月か三ヶ月ぐらいは、大体の赤ん坊は笑いません

。ほかの睡眠とかについては下調べがしっているのに、何故にここだけ…。それと、「スティーブ」に感じた違和感が、明らかに欲情だけが先行した挙句に、「ダイアナ」を愛するようになってるから。神様がやったんなら、そこに疑問を抱こうよ。自分って一体何なのかって、少しは悩もうよ。…言っても栓のないことなんですが…、ツッコミどころが在りすぎて、困る…。


ところで、全く関係ないのですが「はまぞう」が変更されて、使いにくくなってて困ります。Amazonであらすじを確認するのが常だったので、商品から飛べないのは、辛いなぁ。