簡易感想。-2回目-


随分とお久しぶりです。本を読んでいなかったり、読んでも記事を書かなかったり、バタバタと働いていたりと、気づけばこんな時期でした。図書館の返却期限が迫ってきてしまっているので、簡単な感想を並べます。その内、きちんと整理する…予定です。




変身 (角川文庫)

変身 (角川文庫)

「変身」のみ読了。「ある戦いの描写」は休みを挟んだらどこまで読んだのかわからなくなったので、保留。この作品に思い入れのある方、ごめんなさい。主人公が可愛くて仕方ないんですけど。だってだって、虫になってるのに焦らずに普通に会社に行こうとするんですよ。読了感は私としてはいい感じ。いえ…詳しく洞察すると長くなりそうなので省略。思いのほか、読みやすかったです。


800 (角川文庫)

800 (角川文庫)

江國香織が解説を書いた、ということで気になっていた青春小説。エロい、との話も聞いていたのですが、さっぱりとしたエロさで好感。あぁ、青春だなぁ、と思います。走った時の涼やかさがこっちにまで伝わってくる。人間関係もちゃんと青春で面白いのですが、私はこの人の本格スポーツ系の話が読みたくなりました。最後が素敵。


暮らしうるおう江戸しぐさ

暮らしうるおう江戸しぐさ

私にしてはかなり珍しい本。さっぱりとした文章で短くて読みやすい。悪い例としてくる行動に思い当たりが多々。結構「あ、これやってる。気をつけなければっ」と思います。「時間泥棒」「うかつあやまり」「むくどりしぐさ」など、読んで覚えておくと、少し礼儀正しく、人間関係がいい感じにいくかも。ただ「うかつあやまり」は、相手がが悪いのに謝ってくれない時はどうすればっ…。


その日のまえに

その日のまえに

何となく重松清が読みたくなる。「その日」はまぁ「亡くなる日」の事なのですが、色んな別れが詰まった半分短編、半分中篇。途中で連作短編になるので、夜に読む前には要注意です。この本って身近な人が亡くなった事があるかないかで読み方が分かれそうです。内容はいい意味で重松清さん。少しほろり、ときました。違和感もなくすんなりと心に響いてくる文章はさすが。


明日の記憶

明日の記憶


映画になったのかな。若年性アルツハイマーにかかった人のお話。まぁ、暗かったりする部分もあるのですが語り口に癖はありません。話としても過不足もなくて良いのですが…何故この人の書く主人公はこんなにも似てるのでしょう。色々設定は違うはずなのに、イメージが同じです。んー…悪くは無いのだけれど、この人の話を一度に沢山読むのは止めようと思います。きっとこんがらがる。多分、どんなテーマにしろ根底のテーマが揺らがないのだろうなぁ。話は一気読みしてしまった程、面白かったですよ。ただ、新鮮味は無かったです。


魔王

魔王


伊坂幸太郎が、ヤバい。読み終わった時の素直な感想です。話のトーンは暗め。集団心理の怖さはわかります。ぐいぐいと吸い込んでいく力と、何だか粋な会話は建材。ただ、ただ、政治やら思想やらが絡んでくる話なので、怖いのです。どうもそういう系統の話は、まるで作者の思想のような気がしてしまうので。お願いです。これからも軽い話も書いてください。あ、オチ、好きです。ついでに「死神の精度」を読んでいると、ちょっと嬉しいことがあります。うん、そうなんだ。伊坂幸太郎さんの本は繋がっていることが多々あるので…頭の整理が追いつかない…。


ラ・ロンド―恋愛小説

ラ・ロンド―恋愛小説


私はこの人の事が好きなのかもしれない。としみじみ思った一作。話の筋も内容も私の好みではないのですが、何だか読んでしまう不思議。どこ、とかは説明できないけれど、好きなんだろうなぁ。話の内容はまぁ……色んな意味で恋愛小説。ただ、一人、お前、何が楽しくて生きているんだ、といいたくなる登場人物が一人居まして…、心臓がとても痛かったです。だって、生きている理由に苦しめられてるみたいなもんじゃないですか。ちなみに救いはにあです。脇役?なのですが、一番心に残りました。


少し変わった子あります

少し変わった子あります


あぁ、森博嗣だ。最初は少し難解に思えて雰囲気にはまりこめなったのですが、どんどん面白くなっていきました。噛めば噛むほど味がでてきます。少しずつ読んだので、そのせいかもしれません。総じていうと、面白いです。好き嫌いは分かれそうだけれど、ストーリーを楽しむというより文章としてそこにある考えと反響していく感じ。自分に当てはめてみたりすると楽しいですよ。うん、読み込んで寝る前に読みたいな。


終末のフール

終末のフール


確か、死神の精度と対となしているの…かな。確かに、向こうは「死」の物語で、こっちは「死」が間近に迫っている故に「生」の物語です。んー、比べてしまうとキャラが弱い。そりゃぁ、淘汰された後に残された人達なので、共多少は似通っていないと…ね。なので、最後の話が一番好き。ただ、全体的には嫌いじゃないけれど、綿菓子喰ってる気分でした。ほんわかして、どうも癖がない。毒もない。結局同じ結論に辿り着くしかない、という舞台設定のせいかもしれません。でも、設定は素敵。