紙魚家崩壊/北村薫


紙魚家崩壊 九つの謎

紙魚家崩壊 九つの謎


書いてた感想を、間違えて消しちまいました…。久しぶりにやっちまったなぁ…。バラバラな九つの短編が収録されています。「家」がついていたので、てっきり一つの家族にまつわる話かと思ってましたよ。



さて、読んでみての感想は…ごめんなさい。考えてみると、私はこの人の本、殆ど読んでいないんです。短編集をひとつかふたつ。シリーズをひとつ。長編にいたっては、時間シリーズ、かな。しかも、それも随分前の話です。ゆえに、文体に馴染んでいない。そして収録されている話、全て癖が強いんです。もう、ミステリーなのか、ホラーなのか、SFなのか、最後の話になってくると、小説と言って良いのかも判らない。でも、混乱しながら、何だかんだで全部読んでしまいました。もう、何とも言えぬ不思議な読後感。はっきり言ってしまえば、私がギリギリ理解できた、と思ったのは「俺の席」「おにぎり、ぎりぎり」くらいです。「俺の席」は、一番理解しやすかったけれど、後味が悪かったです。全体的に流れが、かなり掴み難いです。その分、世界にハマってしまえば、面白いんじゃないかな、と思います。でも、私には無理でした。準備も基礎体力もありません。最後に「新釈おとぎばなしという、小説なのかどうかも疑ってしまう作品があるのですが、これに至っては、笑う感じに楽しめばいいのか、真剣に「そういう解釈」があるのか、とずっと迷いながら読んでいました。慣れていないんですって、だから、自分の反応さえもよめない。何となくですが、北村薫さんの作品を読みなれている人であれば、多分楽しい。癖の強いということは、それだけ個性が発揮されてるってことでしょうし。でも、入門書には向きません。いやぁ、本当に不思議な読後感です。実をいうと、理解できていないから、話をあまり覚えていない…。あぁ、何だかとても勿体無いことをしてしまった気がする。大人しく「水に眠る」でも読み直すか。理解できる日が来たら、楽しいだろう…なぁ。本の中の笑いを、楽しめるだけの技量が欲しいです。