神のこどもたちはみな踊る/村上春樹


神の子どもたちはみな踊る

神の子どもたちはみな踊る


村上春樹の短編集。結構長さもバラバラです。




感想は一言、うん、わけわかんない。村上春樹というともう、大ベストセラー作家でノーベル賞獲得なるか云々こうの、と言われている人だという事は知ってはいるのですが…、どれ程評判のいい人であろうとも、知ったかぶりをして納得することは出来ないわけでして…。
だって、わけわかんないんだもん。でも恐ろしいことに、分けわかんなくてもつまらなくはないんですよ。もうね「UFOが釧路に舞い降りる」を読んでいる時は「これは一体何なのだろう」とワクワクしてしまいました。たぶん、私はこの人の長編の方が好きなのだと思います。だって、ミステリーっぽいから。そういう意味では、この物語が長編のプロローグとしてあったとしても違和感ない。人を惹きつける「?」の作り方は、本当に凄いと思います。そして、それが現実的な解決をされないくせに、嫌な気分にも消化不良な気分にもさせない。それと、文体が大好き。長い癖に頭に入ってきて、ひらがなの使い方が素直で好き。
表題作である神の子どもたちはみな踊るは、静かな物語。うん、もう心理を追うことは出来なかったのですが、それでも踊っている姿は想像するだけに素敵。一番話として難しい気がします。
「かえるくん、東京を救う」は、題名どおりの幻想譚。一番意味わからないのだけれど、一番わかりやすい、読みやすいともいえる矛盾。何なのだろうなぁ。不思議な話。結局、私はこの人がコレを何の象徴として書いているのがさっぱりわからなんので、ストーリーを追うしかない。それでも面白いから良いのですが。
「蜂蜜パイ」は一番好き。ラストがすごい好き。一番わかりやすい話な気がします。センチメンタルというか情緒的な話でもあるわけですが、くまたち素敵。言うことはそれだけで十分です。
あ、この話、一応大地震がひとつの出来事として、物語を繋いでいるのですが…うん、まぁ、それだけです。意味を考え出すと、長くなりそうなので省略。